日本は歴史的にスポーツに縁の薄かった国民といえる。
蹴鞠(けまり)や羽根突き(はねつき)はさておき、武道・武士道(剣術/剣道、柔道、合気道、弓道、なぎなた等々)や神事である相撲に至っては、その目的が競技(勝負)よりもむしろ心技体の自己鍛錬にある。
スポーツが日本に輸入されたのは明治初期だが、その際、殖産興業・富国強兵の施策から「娯楽」や「余興」の意味合いは取り除かれ、身体・精神を鍛える活動へと改変されてしまった。こういった経緯をしっかりと理解した上で、 eスポーツの世界的な広まりを正しく捉えて頂きたい。
当初 eスポーツにおける高額賞金が景品表示法に触れるのではとの懸念から、日本での開催は比較的大人しいものだった。しかし、プロリーグの設立とプロライセンス制度の導入に合わせて昨年から急速に注目を集めている。
スポーツそのものは非生産的活動だが、それを取り巻く経済活動は幅広く、日本にはIT技術もゲーム機器やソフトウェア会社も揃っている。この成長産業へ積極的に取り組むべきだ。