最も際立つスポーツ界のみならず、科学、芸術、音楽、文学、そして医療の分野、世界で活躍する日本人は数限りない。英語の弱さがネックとも云われるが、それでも近年は、名だたる国際映画祭で日本映画が注目され、映画俳優はハリウッド進出で成功している。
では、スタンドアップ・コメディ(いわゆる西洋漫才)ではどうだろうか?笑いは万病の薬であり、国境を超えた笑いは平和をもたらす。やはり文化と言葉の壁が難しいのだろうか?日本人ではないが、同じ東洋人でそんな考えを全て打ち消す位、強烈な人物がいるので紹介したい。
国境を超える爆笑コメディアン、ジョー・ウォング
異彩のスタンドアップ・コメディアン、ジョー・ウォング(Joe Wong, 中国名:黄西)をご存知だろうか?
2009年の米国テレビ番組(Late Show with David Letterman、米国の大人気バラエィティ・トークショー)への出演を皮切りに、その類稀なる面白さで急速に噂が広まり、さらなるテレビ番組への出演のみならず、米国大統領も参加する名高いホワイトハウス(大統領府)記者協会主催の年次ディナーへ招待され、会場を爆笑の渦に包んだ。
その模様が下のリンク。ただし予め断っておくと、全編英語であり、米国時事や文化のネタが多いため、その知見が無いとあまり面白さは分からないだろう。
中国生まれで生化学博士な米国漫才師
ジョー・ウォングは韓国系(祖先)の中国人として中国吉林省生まれ(1970年)で、吉林大学と中国科学院を卒業し、1994年に渡米、2000年には名門ライス大学の生化学博士として卒業している。翌年から2009年のテレビ・メジャーデビュー迄は、生化学博士の傍、各種コメディコンテストへ参加し、全米水準のコンテストで複数回表彰されている。
経歴からわかるように決して米国育ちという訳ではなく、渡米したのは24歳になってからであり、英語の発音はお世辞にもネイティブとはいえない。風貌も米国暮らしの影響があるわけでもなく、つい先日中国から観光旅行でやって来たかの如く思える。東西冷戦が終わって暫く経つが、決して中国と米国の関係が友好的な訳ではない。
ジョーは2008年に米国市民権を取得しているが、ここ10年は米国と中国を行き来し、文化の違いや政治を風刺するネタでそれぞれの国民を抱腹絶倒させている。
「笑いで米国と中国の壁を取り除きたい」(ジョー・ウォング)
偶然にもジョーが東京に来て9月20日にスタンドアップ・コメディーをするらしい。東京にいる米国人を対象にしているのだろうか?日本でずっと住んでいる日本人を笑わすつもりなのか?非常に気になるが、いずれにしても楽しみにしたい。