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三浦春馬さんの死去

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ご冥福をお祈りいたします。

テレビ報道やネット経由での報道各社の対応を見て、その伝え方に違和感を感じている。通常「ニュース」はありのままを伝える事が価値なのだが、自殺報道は数少ない例外で、報道関係者でこの事を理解していない人はいないはずだ。自殺に関連するニュースは新たな自殺を誘発するリスクがあるため、WHO(世界保健機関)や厚生労働省がガイドライン/手引きを設けている。詳しくは「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017最新版」をご覧頂きたい。

あくまでも個人的且つ定性的な意見だが、ここ二日間の内容には不適切なものも見られる。「自殺」という語を見出しで使ったり、自殺に用いた手段や場所(”自宅” までは良いのだろうが、それ以上の詳細は好ましくない)は新たな自殺を生む可能性があり、好ましくない。報道の内容、そして画像や記事、それらが決して悪い連鎖へと繋がるコトが無いように配慮を望む。

自殺死亡は日本の大きな社会問題

GDPが世界3位、失業率は圧倒的に低く、犯罪が少なく安全、私を含めて多くの日本人が誇れる事は沢山あるが、「自殺」の多さはは日本の大きな社会問題だ。いわゆる “先進国” にあたるG7 (英・米・仏・独・加・伊、そして日本)の中で不名誉な事に最も高い自殺死亡率(年人口10万人あたりの自殺者数)となっており、昨年(2019年)は10万人あたり16人、実に合計2万169人もの命が失われている。

勿論、信仰(宗教)上の理由から(無宗教、または仏教徒が比較的に多い)日本の自殺死亡率はどうしても諸外国より高くなってしまうのも事実だ。WHOや各種調査機関が報告しているが、無宗教者の自殺率は最も高く、キリスト教徒はその約半分以下(仏教徒はその中間)、ヒンズー教徒やイスラム教徒はさらに低い統計となっている。

宗教や信仰を強制するコトはできない、 “無宗教者が多い日本” だからこそ、命を大切さを説き、心の傷を治療する独自のプログラムが必要だ。新型コロナで生活様式も社会経済も大きく変わる。精神科医、心理カウンセラー、心理療法士等をよりオープンに活用できる風土が重要だ。

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