2020年9月期の第3四半期決算が7月22日に発表になったので、その内容を精査してみた。尚、新型コロナの影響で今回の決算説明会はオンライン開催(レコーディング)となった。説明資料はこちら。
トップライン業績は絶好調、見通しも好印象
当四半期は新型コロナによる世の中の変化を大きく受けた4-6月だが、マクアケにおいては「マスクや除菌グッズ等の一過性需要」や「新商品をオンラインでデビューさせる商習慣への移行が何年も早まるきっかけ(中山社長)」があり、当社事業へ大きな追い風となった。この3ヶ月の応援購入総額は約46億円、2Q(1-3月)比で78%成長となった(図表1参照)。プロジェクトとサポーター(応援者)の広がりとリピート率を示すKPI(以下参照)も全て絶好調。
掲載開始件数 | 1,319件 | +53%QoQ |
アクセスUU | 11.4百万人 | +98%QoQ |
会員数 | 1.08百万人 | +28%QoQ |
リピート応援購入率 | 72.4% | +0.3ptQoQ |
今期通期の応援購入総額予想は137億円となるが、これは当社が想定している新商品のオンラインデビュー市場規模(EC枠)7400億円に対してマーケットシェアが約1.8%であり、市場シェアによるボトルネックは当分心配いらない。
新型コロナ第2波による景気動向の不透明さを鑑みて4Qの予想は保守的に42.9億円(四半期ベースでマイナス7%)としている。

利益は今後数年微増益
3Q営業利益は約2.9億円で、2Qの112%増。営業利益率も23%から30%に、対応援購入総額(対GMV)でも5.3%から6.2%へと向上している(図表2参照)。ただ、
「事業のトップライン(応援購入総額=GMV)が伸びれば伸びるほど営業利益率は改善していくというビジネスモデルになっている」ので、
「暫くはこの率(GMV比営業利益率)を伸ばすというコトにはフォーカスをせず、その分をプロモーションに成長投資をしたい」
と社長がコメントしており、それ故、今通期の営業利益予想を僅か4.8億円としている。4Qの利益予想はマイナス想定だ。
産業界における新商品のオンラインデビューが加速し、また、それが消費者ニーズにマッチしているタイミングでもある事からプロモーション(サービス認知度を高める広告宣伝)や人材採用を強化するようだ。
「来期以降(決算説明会資料では2022年9月期まで)は、プロモーションの先行投資を強めていきたい...来期以降数年は営業利益の予算自体は微増益程度に抑えさせて頂いて・・・」と説明している。
株価バリュエーション
2020年9月期の新しい通期EPS会社予想は29.82円なので、PERは実に297倍(本日大引け株価8,850円)だ。因みにPBRは約39倍。マクアケは好きな株でここのずっと注目して来たが、向こう数年微増益と宣言されてしまった。